漢方医学3000年の歴史上では、比較的新しいとされる冬虫夏草。こんなにも有名でこんなにも浸透しているのに、実際に現存する植物学の文献に登場するのはそれよりもずっと後の清の時代、18世紀ごろになります。ちょうどその頃に書かれたイエズス会の宣教師の手紙の中にも、「実際に買うには4倍もの銀が必要」との記述が見られ、この頃からきわめて高価で貴重なものであったことが解ります。それにしても4倍の銀とは驚きますね。
現代でも、高値で取引されるチベット高原では、そこで暮らす人々の重要な収入源となっています。
一説によるとその起源は紀元前2000年の殷の時代までも遡るとも言われ、古くは始皇帝や楊貴妃にまで愛飲されたとも伝えられてきました。いつの時代も不老長寿は人間の夢なんですね。皇帝のみの専有食とされた時代もあったようで、その効能と希少価値の高さの程がおうかがいが知れます。
日本では江戸時代半ばに紹介されましたが、貴重すぎたためか一般に浸透するまでには至りませんでした。
しかし、時を経て1993年、ドイツで開催された女子陸上競技選手権で、13競技中なんと11個(!)もの金メダルを獲得という驚異的な成績を収めた中国の馬俊仁監督率いる「馬軍団」の選手たちが、練習中ずっと食していた事実を受けて、その効能や効果が全世界で脚光を浴びることとなりました。
そして、次々と発見される健康成分や美容成分が話題を集め、日本でもちょっとしたブームを起こしているわけです。